
チャンピオンの前身となる会社、「ニッカーポッカー・ニッティング・カンパニー」が
アメリカ・ニューヨーク州ロチェスターに誕生。
その名前のとおり、ニットセーターの販売を始めた。

1920年に社名を「チャンピオン・ニッティング・ミルズ」に変更。屋外労働者の防寒着としてウール素材の下着を中心に展開。その中にあったスウェットシャツの原型であるウールのカットソーは、米軍アカデミーの訓練用ウエアに採用された。
1924年には初めて大学とのビジネスを開始。最初の相手はミシガン大学だった。低価格で高品質なアスレチックウエアを手掛けるチャンピオンの名は、それをきっかけに全米に広がっていった。
ベースボールはアメリカのアスレチックウエアを発展させたスポーツの1つ。
レタードニットはベースボールやフットボールで防寒着として使われていた

カレッジモノの定番であるレタリングは、1930年にチャンピオンによって生み出された。体育カの授業で生徒に貸しているウエアを管理するため、学校名や管理番号をウエアに付けたいという大学側の要求がきっかけだった。これによって、ただの下着だったものにデザインが加えられたのだ。現在のプリントが施されたTシャツやスウェットのルーツはここにある。
1920年代以降、アメリカのアスレチック界で防寒用として使われていたのが、ショールカラーのニットカーディガン。2トーンカラーにフェルトやシニールによるレタリングが施される。素材はウール100%。
「52」のレタリングはフェルト生地をカットして縫い付けたもの。'40年代以前のニットではフェルトのレターが主流だった
学校名やチーム名のイニシャル部分は、フェルトではなく豪華なシニールワッペン(サガラワッペン)が使われているものが多い
チームのキャラクターも必ずレタリングされるモチーフの1つ。このインディアンヘッドはフェルト地にチェーン刺しゅうで絵柄が施される
サム・フリードランドによって考案されたのが、チャンピオンの代名詞的な存在であるリバースウィーブ。洗うと着丈が急激に縮んでしまうという、スウェットシャツの難点を改善するため、縦に織っていたコットン生地をボディに対して横向きに使い、防縮することを発明したのだ。1938年にはこのリバースウィーブ製法は特許を取得し、その名をさらに広めることになったのである。

海軍から依頼されて1939年に誕生したのが、今では当たり前になっているリバーシ米ブルTシャツ。訓練時の紅白戦なども考慮して両面で着用できるようにしてほしいと依頼されたのだ。

チャンピオンが生み出したリバーシブルTシャツ。カレッジの定番だが、第1号の米海軍のものは彼らの象徴であるネイビー×ゴールドだったという

アスレチック用、訓練用として使われていたチャンピオンのウエアは、アスリートの世界にも広がっていたが、新たな展開があったのは1950年。大学名をプリントしたスウェットシャツが、学生の間で流行したのだ。いわゆる"カレッジスウェット"である。このことがきっかけとなり、本格的なアスレチックウエアはそのままに、プリントでデザイン性を高めたキャンパスウエアにも力を入れ始め、チャンピオンのラインナップの大きな2本柱となって、現在まで続いている。

いわゆるスタジャンのルーツにあたるのが、手縫いのボタン留め仕様のコーチジャケット。大学の名やチーム名がレタリングされたシンプルなものがほとんどだ。(参考商品)
1950年に撮影されたフットボールのコーチの一葉。彼が着用しているのは、セパレートポケットに後付けフードのチャンピオンのパーカである

アスレチックに限らず、ファッションとしても人気を博したチャンピオンは、1960年代以降さらにキャンパスウエアも充実させていった。様々なプリント手法を使ったり、カラフルな配色のボディも用意されるなど、スウェットやTシャツをファッションの定番に押し上げていった。
かなり貴重な初期のタグで、まだ「KNIT WEAR」の表記がある。この表記はその後「SPORTSWEAR」に変更される
いわゆるランナーズタグと呼ばれるものの代表格。ネイビーの四角の中にランナーがデザインされているのが特徴
こちらは右のタグのレイアウトが若干異なるタイプ。こちらも'50年代に使われていたもので、クラシカルな配色は健在
'60年代になるとランナーズタグが大きく変更される。ランナーが「C」の中に組み込まれ、色使いも単色になった
もう1つ'60年代を代表するタグが、「プロダクツタグ」と呼ばれるこのタイプ。見かけることの少ないレアなタグだ
通称「ブルーバー」と呼ばれているのが、'70年代以降に使われたこのタグ。フットボールTシャツなどでお馴染みだろう